6G-A4

(電力増幅用 傍熱形3極管)  ヒーター電圧:6.3V 電流:0.75A


最大定格:プレート電圧350V プレート損失13W H-K間正負耐圧100V


A1(S)動作例

プレート電圧:280V プレート電流:57mA グリット電圧:-21.5V gm:7mモー

P-内部抵抗(rp):1.4KΩ 増幅率(μ):10 負荷抵抗:5KΩ 出力:3.2W


   


 6G-A4という球は・・結論を先に言えば、好音質で定評のあった戦前の名球2A3をイメージして、傍熱タイプのGT管に改め、なを且つ増幅率(μ)と相互コンダクタンス(gm)を上げて感度をアップし、直線性を2A3に出来るだけ近づける工夫をして東芝が昭和34年(1954年)に開発したオーディオ用3極出力管です。なを、国産の純粋なオーディオ用3極出力管は6G-A4が最後で製造も東芝のみ。

6G-A4は双三極管 6BX7 の片側を抜き出したもの・・と、云われていますネ。 確かにそうなのですが、東芝が、この球を作ろう・・と思った発想は上記 2A3 の好音質実績、及びオーディオ研究家であった故 池田圭 氏の提案、要望も大きく関与し、6BX7の特性から、これを利用改良でオーディオ専用・・としたものです。 テレビやラジオ用真空管とちがい、当時の需要では、この種のオーディオ専用出力管は製造本数も桁違いに少なく、タブン製造利益は出ないでしょう・・が、よく東芝は応じてくれたものだと思います。 

ほんの僅か遅れてNECがMTタイプの3極管6R-A8(多極管の管内3結接続)を発表し、小型の為かLUX、山水、その他の小企業アンプメーカーに採用されていったが、6G-A4が商業ベースに乗った市販アンプに使われた記憶は皆無である。 しかし、一般のアマチュア製作アンプには多く使用されて人気がありました。 良い素質が有りながら大きくは日の目を見なかった6G-A4を私は残念に思います。


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