UY-807

(高周波電力増幅用ビーム四極管)   ヒーター電圧:6.3V 電流:0.9A


最大定格

EP:750V  P損失:30W  EG2:300V  G2損失:3.5W  f-max:60MHZ


C級電信動作例

EP:750V  EG2:250V  EG1:-45V  Pg1(ドライブ電力):0.3W  IP:100mA  IG2:8mA  Ig1(G1グリッド電流):4mA   PO(出力電力):54W


C級プレート変調電話動作例

EP:600V  EG2:300V  EG1:-85V  Pg1:0.4W  IP:100mA  IG2:8mA  Ig1:4mA  PO:44W


   UY-807/2B33


 古い(?)アマ無線家で、807(ハチマルナナ)を知らない人はおそらくいないでしょうネ。この球のルーツは1936年RCA開発の6L6のプレート端子を管頂に変更し絶縁耐圧を上げて生まれました。日本国内では昭和14〜5年から各社で生産され、手頃なHF送信管及び変調管として、又、高出力PAアンプ用出力管等に昭和40年(1965年)頃まで大活躍でした。 (写真は東芝製)

余計なことを言います・・・昭和37年、私は送信機・・という科目の授業を受けていた時のある日、前NHK川口送信所長であった講師の、今は亡きJA1DRA (藤尾八十冶さん)が、ヨッコラショと重そうに机の上に乗せた授業機材は、なんと TRIO TX-88A ではありませんか・・ 正式な授業に使うサンプルがアマチュア無線用送信機とは驚きました。 私が、そこに使われていた UY-807 の実物を見たのは、このときが初めてです。 私はまだハム局は開局していなかったのですが DRA さんの交信ぶりは自宅で時々受信していた・・のに加え TX-88A を、ご自身で組み立てて(キットを購入された)持ってきた・・と伺い、この時の DRA さんの情熱は、いまだに忘れません・・。

なぜ TX-88A か(?)・・の疑問をもたれる方もあるでしょう。 授業の一環として見学した当時のJOAK(NHK東京第一放送 590KHZ 出力100KW? )の送信装置は、原発振に 恒温槽入りの真空管 6V6 を使用したピアース型水晶発振回路(G-P か G-K か不明) 送信機終段管は水冷式3極管 及び 変調器も特大の変調トランスを使用した3極管パラレル・PP、それも何とプレート変調(平均変調率40%)で、アンテナは頂冠無しの単線垂直型 及びπ型アンテナ・マッチング回路 等などであり、超超縮小判のTX-88Aは正にうってつけであったのでしょう。


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