(春の匂い)

 今日、4日は立春。快晴、気温も10度を越え陽だまりでは暖かい。しかし北風が強く吹いていて・・「春ゥ?ン、どこが〜」・・で、実感はない。

だが、私はきょうからある一瞬を心待ちにしている。毎年、子供のときからこれは変わらない。 それは、ある朝突然やってくる。 それは春の匂い・・。

世間は春ですよ・・であっても、場違いな春一番が吹き荒れようが、この匂いを感じるまでは私の心の内は冬のままだ。・・「春の匂いってどんな匂いだい?」と聞かれても・・「はい、これがそうですよ」とは明確には答えられないが、この時期のある朝、本当に一瞬だけ放たれる確かな春の匂い。 

この匂いを感じたとき私は車で野山や川辺に遠出をする。 そこには寒風が吹こうが寒かろうが、もう草の新芽が芽吹き、川を覗けば魚がチョロチョロ走り春が来たことを告げている。 私にとって一年で最も好きな時期で、春爛漫よりも何よりにも勝る。

07年2月4日 mvm masa

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野暮ですが説明すると

この匂いは・・前の晩の雨 朝の気温状態 無風 晴れ 立春後・・の条件が満たされたときのみ放たれ・・あっ春が来た・・と思う。

立春を過ぎ寒いといっても徐々に土中の温度が上昇している。そこに南の低気圧が来て前の晩に雨を降らせ、翌朝には低気圧も通過し雨もやむ。 そこに高気圧が張り出し、晴れて気温も高い無風の朝を迎える。 するとどうなるか(?)・・土中の水分が湯気となって立ち上り、土の匂いと共に枯れ草の匂いや新芽の匂いなどがあたり一面に漂う。

この匂いは日の出から9時頃までの間続き、その後は消失してしまう。不思議なことに、後日この匂いを感じても、さしてどうという事もない。 また、立春前では皆無である。


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